求められる特定保健指導員

ここでは、「特定保健指導員」という仕事についてご紹介します。

保健指導員の行う仕事を知ろう

メタボ健診特定健診(別名:メタボ健診)の対象となるのは、40~74歳までの公的な医療保険加入者すべてです。

肥満度を示すBMIや腹囲を計測し、25以上のBMI、男性なら腹囲85cm、女性なら腹囲90cmを超過した人はさらに細かい検査を受けることになります。そこでは喫煙者かどうかや、血圧・血糖値などを調べ、リスクに応じてクラス分けがなされるのです。

そして、そのクラスによって、必要な健康指導を行うのが特定保健指導を行うというわけですね。

特定健診の受診率や、保健指導の実施率には自治体ごとの目標が設定されており、これを満たすことによって後期高齢者医療への負担額が変化します。これはある意味、高齢者医療の要ともいうべき制度ということ。

要するに特定保健指導員というのは、この制度に則して保健指導を行う役回りのことです。

この制度にはメタボ健診を行う上での基準が現状で適切かどうかという点に多くの異論があったり、本当に医療費削減に繋がるのか疑問を呈されていたり、さまざまな問題があるのは事実です。ですが、制度自体が機能している以上、制度を運営していく人材は必要でしょう。

特定保健指導員になれるのは

移行措置として2008年からの5年間は特定の看護師は保健指導員になれる場合がありますが、原則的には看護師資格だけで保健指導員にはなれません。保健指導を行うのは、医師・管理栄養士・保健師のいずれかとなっています。

看護師資格を持っていないと保健師資格は取得できないので、事実上、看護師の上位資格ともいえる保健師。もし、特定保健指導員として働きたいのであれば、まずは保健師資格を取得することが大前提になるわけですね。

看護師のままで保健指導に携わりたい?

5年間の特例以外でも、看護師が保健指導員の仕事に携わる方法がないわけではありません。保健指導の一環である運動指導・栄養指導に関しては無期限で行えるのです。

ただ、そのためには運動指導で147時間、栄養指導で30時間の研修プログラムを修了しなければなりません。この条件を満たすことで運動指導が出来るのが、看護師のほかに栄養士・歯科医師・薬剤師・助産師・准看護師・理学療法士。そして栄養指導の場合、前に挙げた6職種から理学療法士が外れて歯科衛生士が加わります。

ただ、最初の計画作成だったりプログラムの管理をしたりといった保健指導員らしい職務は、医師・保健師・管理栄養士でないと行うことができません。

保健指導員としてバリバリ働きたいのであれば、やはり保健師資格の取得が条件になるでしょう。