ここでは、栄養管理を重視する愛媛の病院についてご紹介します。
栄養管理という単語だけでは、ただ食生活に気をつけているだけにも感じますが、そうではありません。今では栄養サポートチームを設置して栄養管理を行うことで診療報酬加算が行われるようになっているくらいなのです。
栄養サポートチームは医療の基本である栄養管理を適切に提供し、治療に役立てることが目的の組織。
1968年にアメリカのダドリックが開発した中心静脈栄養法がきっかけとなり、後の1973年頃、マサチューセッツ総合病院・ボストンシティ病院などで本格的に整備されていきました。
今日では栄養サポートチーム・NSTなどと呼称され、医療の基本の1つとなっているのです。
医師だけでなく、看護師・管理栄養士・薬剤師・検査技師などによって構成される医療チームとして、患者の健康回復に強めています。
愛媛労災病院では、患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を向上するために栄養サポートチーム(NST)が用意されており、嚥下障害や低栄養状態に苦しむ方をサポートしています。
医師・薬剤師・看護師の他、言語聴覚士や作業療法士、そして理学療法士なども組み入れられ、患者さんの栄養管理を行っているわけですね。
もちろん、NST以外の分野でも栄養管理を重視しています。糖尿病サポートチームでは糖尿病患者への栄養サポートを行ったり糖尿病教室の運営をしていますし、緩和ケアチームでは終末期の苦痛を少しでも和らげるために栄養補助食品を利用したりと様々にケアを提供しているのです。
そのほかに入院患者・外来患者を対象として栄養食事指導も行っており、体調管理をサポートしています。栄養管理の重要性を認識し、いち早く治療に役立てているのは非常に好印象ですね。
愛媛大学病院でも、栄養管理に力を入れています。
栄養療法外来という部門が設置されており、高血圧・糖尿病・肥満といった生活習慣病の方に向けて、管理栄養士・医師が適切な栄養指導を行っているのです。
例えば糖尿病はサイレントキラーなどとも呼ばれ、自覚症状に乏しいまま生命に関わるレベルまで悪化することもある恐ろしい病。早めに適切な栄養管理を受け、悪化を防止、さらには状態の改善に向けて努力しなければなりません。
日頃の食生活を含めてトータルにサポートを受けられるのは非常に心強い部分だと思います。
もちろん栄養サポートチーム(NST)も存在します。手術後の低栄養状態を改善し、炎症性の胃腸疾患や生活習慣病によって継続的な栄養管理を必要としている患者をサポート。
こういった医療に興味をお持ちであれば、栄養サポートチームの一員として働くことを視野に入れてみてはいかがでしょうか?